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新卒採用で学生の認知を高め、母集団形成を強化する採用ブランディングと採用広報施策

石川雄大

石川 雄大

新卒採用支援事業部 事業部長 / シニアコンサルタント

目次

「新卒採用を始めたものの、思うようにエントリーが集まらない」
「学生からの反応が少ない」

このような悩みを抱える企業は少なくありません。

その原因のひとつは、学生からの認知不足です。新卒採用では、学生に企業の存在を知ってもらえていなければ、エントリーにつながることはありません。

中には、
「この業界では知名度が高い」
「社会人の間ではよく知られている会社だ」
と考えている企業もあるでしょう。

しかし、社会人の中での知名度と、学生の中での知名度は大きく異なります。

学生が企業名を知っているのは、日常的に利用しているサービスを提供している企業など、ごく一部に限られることがほとんどです。特にBtoB企業の場合は、学生にほとんど知られていないことを前提に考える必要があります。

だからこそ重要になるのが、採用ブランディングや採用広報の取り組みです。
そこで、今回の記事では、新卒採用において企業が取り組むべき採用ブランディング・採用広報施策について解説します。

採用広報施策設計の基本フレームとは

採用広報に取り組む目的は、大きく2つあります。
1つ目は、「自社を認知してもらう」こと。2つ目は、「自社を正しく理解してもらう」ことです。

学生に企業の存在を認知してもらえなければ、エントリーにはつながりません。一方で、認知されていたとしても、企業の情報が正しく伝わっていなければ、エントリーにつながらなかったり、入社後のミスマッチにつながったりする可能性があります。

そのため、採用ブランディングや採用広報では、単に情報を発信するのではなく、自社の特徴や魅力を整理したうえで、学生に正しく伝えることが重要になります。

こうした情報整理を行う際には、4Pフレームワークに沿って考える方法がおすすめです。

以前公開した「会社説明会の作り方」に関する記事でも4Pフレームワークを紹介していますが、採用ブランディングや採用広報施策を検討する際にも、同様の整理方法を活用することができます。

▼参考記事:伝え方と設計で変わる!学生に刺さる会社説明会の作り方

4Pフレームワークをもとに情報を整理する際には、実際に働いている社員のエピソードを集めることが効果的です。企業の魅力や特徴は、制度や言葉だけで説明するよりも、具体的なエピソードを通じて伝えた方が学生にとって理解しやすくなります。

社員数が多い企業の場合は、部署や職種ごとに代表的な社員をピックアップしてヒアリングを行うとよいでしょう。一方で、社員数が100名以下程度の企業であれば、できるだけ多くの社員からエピソードを集めることで、よりリアリティのある情報を整理することができます。

例えば、次のような質問を設定すると、具体的なエピソードを引き出しやすくなります。

【質問例】
・会社のMVVを実感・体現したと感じたエピソードを教えてください
・自社はどのような人が集まっている組織だと思いますか
・福利厚生や制度をどのように活用しているか教えてください

こうして集めたエピソードを整理することで、自社の特徴や魅力をより具体的に言語化することができます。そして、これらの情報は、採用サイトや説明会、SNSなど、さまざまな採用広報施策のコンテンツとして活用することが可能です。

採用広報施策の土台となる採用ブランディングの重要性

自社の情報整理ができたら、次に取り組むべきなのが採用ブランディングの設計です。

どれだけ社内で魅力的な情報を集め、それらを整理できたとしても、その魅力や価値を「誰に、どのように伝えるのか」という方針が定まっていなければ、採用広報施策の効果を最大化することはできません。

採用広報はあくまで「情報を届ける手段」であり、その前提となる採用ブランディングの設計が曖昧なままでは、発信するメッセージに一貫性が生まれず、学生に企業の魅力が正しく伝わらない可能性があります。

そのため、採用ブランディングを検討する際には、少なくとも次のポイントを整理しておくことが重要です。

1. ターゲット
どのような学生に来てほしいのかを明確にします。
具体的なペルソナを設定することで、どのようなメッセージを発信すべきか、どの施策を優先すべきかを判断しやすくなります。

2. コンセプト
どのような方針や世界観で採用情報を発信していくのかを定めます。
採用ブランディングにおいて、コンセプトは発信内容全体を統一するための核となる要素です。

3. 自社の強み・魅力・価値
自社の特徴や魅力を、先ほど紹介した4Pの観点から整理します。
要素ごとに具体的な内容を言語化することで、採用コンテンツに落とし込みやすくなります。

4. 他社との差別化ポイント
同業他社と比較した際に、自社ならではの特徴や強みを整理します。
差別化ポイントを明確にすることで、競合を意識した採用メッセージを設計しやすくなります。

これらの要素を言語化し、方針に沿った一貫性のある情報発信を継続することで、結果として母集団の量だけでなく質の向上にもつながっていきます。

採用広報施策は流行ではなくターゲットの価値から考える

採用ブランディングの方向性が定まったら、次はそこで言語化した内容をもとに、自社に合った採用広報施策を検討していきます。

近年の学生は、物事にかける時間対効果、いわゆる「タイムパフォーマンス(以下、タイパ)」を重視する傾向があります。そのため、採用広報においても、学生が「短時間で価値を感じられるかどうか」が、興味関心に影響する場面は少なくありません。

しかし、だからといってタイパだけを意識し、オンラインイベントや会社説明会で社長や社員のトークコンテンツを用意するなど、形式的に施策を取り入れるだけでは十分とは言えません。企業の魅力や伝えるべき内容と合致していなければ、期待する効果を得ることは難しいでしょう。

そのため、施策を検討する際には、
「自社の強みは何か」
「学生に何を伝えたいのか、何を伝えるべきなのか」
といった原点に立ち返りながら、自社の採用ブランディングと整合した施策になっているかを確認することが重要です。

さらに忘れてはならないのが、ターゲット(ペルソナ)の視点です。
採用広報は企業側から情報を発信する活動ですが、その情報を受け取る「学生」という存在があります。どれだけ企業として伝えたい内容であっても、ターゲットとなる学生にとって価値を感じられなければ、興味を持ってもらうことはできません。

そのため、施策を考える際には、
「ターゲットはこの情報をどう受け取るか」
「どのような価値を感じるか」
という視点を常に持つことが欠かせません。

また、自社の会社や業務内容を採用ブランディングの観点から改めて整理し直すことで、これまで関心を持っていなかった学生に対しても「面白そう」「もっと知りたい」と感じてもらえる可能性が生まれます。

こうした視点で施策を設計できるかどうかが、採用広報施策を成功に導く重要なポイントとなります。

採用ブランディングを土台にした中長期的な採用広報が成果を生む

新卒採用を行う企業の中で、採用ブランディングを体系的に整理し、戦略的に取り組めている企業は、まだ多いとは言えません。
その結果、自社の価値や魅力の整理、採用広報で伝えるべき情報の整理、さらには適切な見せ方や伝え方が定まっておらず、採用広報施策を実施していても、自社の魅力を十分に伝えきれていないケースも少なくありません。

例えば、「自社に興味を持ってくれる学生であれば、基本的に誰でも歓迎したい」と考えている企業もあるでしょう。この場合、「特定のターゲットを絞っていないのだから、採用ブランディングは必要ないのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし実際には、そうではありません。

仮に「誰でも歓迎」というスタンスであっても、その考え方や企業としての姿勢をどのように伝えるのかを整理しなければ、学生にとって魅力や価値として認識してもらうことは難しいからです。

つまり、どのような採用方針であっても、それを適切に伝えるための採用ブランディングと採用広報施策は必要になります。

効果的な採用広報施策を実現するためには、その前提として、採用ブランディングを適切に設計することが欠かせません。自社の価値や魅力は何か、どのような情報をどのように伝えるべきかを整理し、自社のブランディング方針に基づいて情報発信を行うことが重要です。

採用ブランディングと採用広報は、一度整備すればすぐに成果が出るものではなく、中長期的に取り組む必要があります。しかし、自社の価値や魅力を整理し、ターゲットにとって価値ある情報として届けることができれば、結果として母集団の質や量の向上につながり、採用活動全体の成果を高めることにつながっていくでしょう。

この記事を書いたメンバー

石川雄大

YUDAI ISHIKAWA

石川 雄大

新卒採用支援事業部 事業部長 / シニアコンサルタント

大学1年生からWebマーケティング事業を展開する株式会社キュービックにて長期インターンシップをスタート。 営業・Webマーケティング・採用担当を経て、長期インターン採用責任者と新卒採用責任者に就任。大学卒業後、正社員として同社に新卒入社。 その後、株式会社土屋鞄製造所に入社。新卒採用責任者を任され、長期インターン制度の立ち上げを行う。 2023年にSTARMINEへ参画。 新卒採用支援事業部の事業部長を務め、新卒採用コンサルティング業務に従事。

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