学生に響く会社説明会の具体的コンテンツ構成と流れ
以前公開したナレッジ記事【伝え方と設計で変わる!学生に刺さる会社説明会の作り方】では、会社説明会が学生に刺さらない理由や、学生が求めている情報、そして伝えるべき要素について解説しました。 今回の記事は、その続編にあたりま […]
目次
「効果的な候補者体験を設計できていない」
「内定承諾後の十分なフォローアップが行えていない」
このような課題に直面する企業は、少なくありません。これらの課題は、採用戦略そのものだけでなく、「それを実行する人員体制」によっても大きく左右されます。だからこそ、採用活動を成功させるためには、採用計画に見合った人員体制を整えることが欠かせません。
当然のことながら、採用に携わる人員が不足していれば、設定した目標人数を採用することは難しくなります。一方で、人員が過剰であれば、採用コストが無駄に膨らんでしまいます。
今回の記事では、新卒採用の成功を左右する「採用計画に見合った人員体制の組み立て方」について、具体的なモデルケースを交えて詳しく解説します。
人員体制が不足したまま採用活動を進めると、次のようなさまざまな問題が発生します。
【例】
⚫︎他業務との兼務で手が回らず、候補者フォローが後回しになる
面談調整やメール返信の遅延が発生すると、候補者体験が損なわれ、学生の志望度低下につながります。
⚫︎目の前の作業が優先されてしまう
応募者の分析や、戦略の改善に時間を割くことができず、的外れな母集団形成の手法を続けてしまい、結果としてターゲット層の応募者が集まらないといった状況に陥る場合があります。
⚫︎説明会やイベントの準備が不十分となり、期待した成果を出すことができない
企画立案や内容設計に十分な時間を割けないまま開催してしまうと、「とりあえず開催しただけ」のイベントになりがちです。その結果、自社の魅力が伝わらず、期待した成果を得られなくなってしまいます。
このように、人員体制の不足は採用のあらゆる工程に悪影響を及ぼすとともに、辞退やミスマッチのリスクを高めてしまいます。

売り手市場が続く昨今、学生が複数社から内定を得ることが当たり前となり、内定辞退率に課題を抱える企業は少なくありません。企業側はこれを防ぐために、自社の魅力をいかに効果的に伝えるかに多くの時間と労力を割かざるを得ず、結果として1人の候補者にかける工数は増加しています。
一方で、採用活動を行う企業の中には、現状配置可能な人員を前提に採用計画を立てた結果、想定以上の時間と工数がかかってしまい、採用目標を達成することができなかったり、学生一人ひとりに十分な工数をかけることができず、選考辞退に繋がってしまうケースも少なくありません。
これらの課題の背景には、本来必要な人員数を見誤っているという原因があります。
そもそも採用は、「どんな人材を、いつまでに、どのような手法で獲得するか」という採用計画と、その計画を実現するために必要なリソース、担当者が持つスキルなどが揃って初めて成果に結びつきます。
例えば、採用目標人数が5人の場合でも、「エリアを絞ってサマーインターンのみ実施する」のか、「複数拠点で採用を行い、サマーインターンとスプリングインターンの両方を実施する」のかによって、必要となる工数や人員体制は異なります。
十分な人員体制がないまま活動を続けることは、いわば穴の空いたバケツで水を汲むようなものです。
どれほど効果的な戦略を立てても、それを実行する人員体制がなければ、日々のオペレーションを回すだけで手一杯になり、候補者へのフォローが疎かになってしまいます。
だからこそ、採用を成功させるためには、担当者一人ひとりのキャパシティを把握したうえで、自社の採用計画における必要工数を想定し、それに見合った人員体制を組み立てることが重要です。

前述したとおり、採用を成功させる人員体制の組み立てには、まず「どんな人材を、いつまでに、どのような手法で獲得するか」といった緻密な採用計画が欠かせません。
この解像度が低いと、「とりあえずスカウトを打つ」「とにかく多くの候補者と会う」「とりあえずイベントを開催する」といった場当たり的な対応に追われ、本来必要のない工数が膨らんだり、ターゲットから外れた母集団を集めてしまうなど、さまざまなズレが生じやすくなってしまいます。
ここでは、人員体制を整える土台となる、基本的な採用計画の組み立て方について整理します。
_____________________________________________
1.ペルソナの定義
求めるスキルや価値観を言語化します。ここを絞り込むことで、ミスマッチを削減できます。
2.採用人数の決定
目標とする採用人数を決定します。辞退率を想定できる場合は、それらを加味して逆算した採用人数を設定しましょう。
3.採用プロセスの決定
選考方法や面接回数、評価基準などを整理し、採用に必要な工数とアサインする担当者を可視化します。
4.採用スケジュールの策定
母集団形成期間や選考期間、内定者対応など、入社までの工程を時系列で整理しましょう。
5.採用手法・チャネルの選定
各採用手法の特徴を理解し、設定したペルソナに届く採用手法を選定します。
_____________________________________________
もちろん、上記の手順通りに進めたとしても、いざ採用をスタートすると「思うように母集団が集まらない」「人数は集まったけどターゲット層とずれている」といった壁にぶつかることもあります。
そうした状況に直面した場合は、闇雲に計画を進めるのではなく、どこに問題があるのかを分析し、改善すべきポイントを明確にしたうえで、計画や体制を組み立て直すことが重要です。

採用市場において、エントリーから入社に至る確率は約1%程度と言われています。
もちろん、実際の数値は企業によって異なりますが、仮に10名を採用しようとする場合、理論上は1,000件程度のエントリーが必要になります。
また、マネジメント論では、1人が同時にマネジメントできる人数は「1枚のピザを食べる人数まで(最大8名)」と言われています。これを超えると、「十分なコミュニケーションを取り、きちんと自分のことを見てくれている」と相手に感じさせることが難しくなってしまいます。そのため、1人の担当者だけで10名の採用を担うことは、採用手法やプロセスを工夫しなければ現実的とは言えません。
10名の採用を行う場合、マネジメント可能人数を超える候補者へのフォローアップを同時並行で進める必要があり、キャパオーバーに陥りやすくなります。その結果、「工数を抑えることを優先するあまり、過剰に絞り込んでしまう」といった判断が生じ、無駄な機会損失につながる恐れがあります。
このような理由から、採用計画に見合った人員体制を整えることは、採用を成功させるうえで欠かせない重要なポイントと言えます。
では、採用計画に見合った人員体制とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。戦略設計によって最適な人員体制は企業ごとに異なりますが、ここでは「採用人数」を軸とした場合の目安となるモデルケースをご紹介します。
_____________________________________________
ケース①
・採用人数:1〜8人
・体制目安:1人以上
・体制イメージ:適切な採用手法やプロセスを選定することで、母集団形成〜入社までの一連の採用業務を1人で担うことが可能。
ケース②
・採用人数:8人以上(※現実的には、10人程度が目安となる企業が多い)
・体制目安:2人以上
・体制イメージ:リーダーとリクルーターによる2人体制を構築し、母集団形成と面接・フォローアップといった工程を分担しながら進行。
ケース③
・採用人数:数十人以上
・体制目安:4人以上
・体制イメージ:リーダー・リクルーター・オペレーターなど体制をさらに細分化し、採用業務の安定化を図る。あわせて、採用広報や採用ブランディングにも継続的に取り組む。
_____________________________________________
なお、上記で紹介した体制はあくまで目安です。実際には、採用スケジュールや実施する施策によって、必要となる工数や人員数は変わります。そのため、自社の採用計画や戦略と向き合いながら、状況に応じた人員体制を設計することが重要です。
一方で、人員体制を検討する際には、判断を誤ることで、かえって採用活動に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。以下に挙げるようなポイントに陥らないよう、十分に注意する必要があります。
_____________________________________________
NG例①:採用人数だけを基準に体制を決めてしまう
・例:採用人数が10名程度だからといって、ケース①と同様に1人で採用を回そうとする。
・問題点:採用人数が同じでも、実施する施策や採用チャネルによって必要工数は大きく異なります。採用人数だけで体制を判断すると、日々のオペレーションに追われ、候補者への十分なフォローができなくなります。
NG例②:担当者の兼務を前提にしすぎてしまう
・例:人事業務や総務業務と兼務しながら、採用業務も問題なく回せると判断してしまう。
・問題点:採用は突発的な対応が多く、想定以上に工数が膨らみやすい業務です。採用人数が対応可能範囲内であっても、兼務前提の体制では重要なフォローアップが後回しになり、候補者体験の低下につながります。
NG例③:人数は揃っているが、機能として成立していない
・例:複数名の担当者を配置しているものの、全員が同じ業務を並行して行っており、全体を俯瞰する役割が存在しない。
・問題点:進捗管理や意思決定が属人的になりやすく、対応の抜け漏れや判断の遅れが発生しやすくなります。
_____________________________________________
これらのNG例からも分かる通り、人員体制の設計は、単に「何人配置するか」を決めるだけでは不十分です。採用計画や施策内容、各工程に必要な工数を踏まえたうえで、体制全体を設計していく視点が求められます。

新卒採用は、単に採用手法を増やしたり、採用に関わる人員を増やしたりするだけで成功するものではありません。採用人数やターゲット、実施する施策によって、必要となる工数や体制は大きく異なります。
重要なのは、「採用人数やターゲットに合った戦略」と「その戦略を実行できる人員体制」の両方が適切に設計されていることです。いずれか一方が欠けてしまうと、候補者体験の低下や意思決定の遅れを招き、採用活動全体に悪影響を及ぼします。
そのため、採用の質を高めるには、まず担当者一人ひとりのキャパシティやスキルを把握し、採用計画に対してどれだけの工数が必要なのかを整理することが欠かせません。そのうえで、現在の人員体制が自社の採用計画に見合っているかを見直すことが、採用改善に向けた第一歩となります。
RELATION
以前公開したナレッジ記事【伝え方と設計で変わる!学生に刺さる会社説明会の作り方】では、会社説明会が学生に刺さらない理由や、学生が求めている情報、そして伝えるべき要素について解説しました。 今回の記事は、その続編にあたりま […]
会社説明会を実施する際、みなさんはどのような視点でコンテンツを考えていますか?また、説明会全体をどのように設計しているでしょうか。 会社説明会では「どんな情報を伝えるか」だけでなく、「どのように伝えるか」も非常に重要です […]
新卒社員の早期退職に頭を悩ませる企業は少なくありません。厚生労働省が発表したデータ(令和3年3月卒業者)によると、3年以内の離職率は高卒で38.4%、大卒で34.9%となっています。※引用:厚生労働省 新規学卒就職者の離 […]