
求人票が変われば、採用は変わる。「魅力的な求人票」の本質と作り方
人材を新たに採用しようとしても、なかなか応募が集まらず、採用に結び付かないというケースは少なくありません。その原因の一つとして、「求人票そのものに問題がある」という可能性が考えられます。 求人票は、単に募集要件や企業情報 […]
目次
採用広報の重要性を認識しながらも、なかなか着手できていない企業は少なくありません。その背景には、リソース不足や、何から始めればよいか分からないといったノウハウ不足など、さまざまな要因があります。
しかし、こうした課題がある中でも、採用広報に取り組むことは、母集団形成やミスマッチの防止など、採用活動において大きな効果をもたらします。だからこそ、推進する価値があり、採用活動の成果を最大化するためには、採用広報は欠かせない要素だと言えます。
この記事では、採用広報の具体的な手段や、それによって得られる効果について、解説いたします。
採用広報とは、自社の採用ターゲットに向けて行う広報活動のことで、大きく以下の2つの目的を持っています。
①認知度の向上
自社を認知されていない状態では、どれだけ採用戦略を綿密に設計して選考フローを工夫しても、効果を十分に発揮することは難しく、応募に至ることはありません。
そのため、採用活動の入り口となる「認知」の獲得は非常に重要です。採用広報を通じて、求めるターゲット層に自社の存在や特徴を知ってもらうことで、母集団形成に向けた土台を築くことができます。
②共感・興味の喚起
採用広報のもう一つの目的は、求職者に自社への共感や興味を持ってもらうことです。企業理念や文化、働く人々の価値観などを伝えるコンテンツを発信することで、共感を生み、ミスマッチの防止にも繋げることができます。
また、すでに自社を認知してもらえていたとしても、興味を持たれていないケースがあります。そうした人材に対しても、採用広報を通じてさまざまな情報を届けることで、新たな関心を引き出すことが可能になります。
採用広報は「社外広報」の一部に位置づけられます。
社外広報は、企業がさまざまな情報を対外的に発信する広報活動全般を指し、その中で採用目的に特化した広報活動が採用広報です。
社外広報のメリットは、多様な情報を幅広い目的で発信できる点にあります。一方で、発信内容が多岐にわたることで「何を伝えたかったのか」が不明瞭になりやすく、メッセージが散漫になるリスクもあるため、目的がぶれたり伝えたい情報の説得力が薄れてしまうことも少なくありません。
これに対し、採用広報は採用に特化しているため、目的を明確に絞り込んだ発信が可能です。その結果、伝えたい情報をより効果的に伝えやすく、ターゲットに届きやすいという大きなメリットがあります。また、発信テーマを細分化しやすいため、具体的かつ詳細な情報提供ができ、求める人材からの深い理解や共感を得やすい点も特徴です。
だからこそ、採用活動全体と連携しながらターゲットごとに採用広報の施策を活性化できれば、認知度の向上と魅力の伝達が両立でき、採用成功の可能性が高まります。
採用広報は「誰に向けて発信するのか」というターゲット設定が非常に重要です。求める人物像や採用要件に合致する人材に認知してもらい、興味を持ってもらうことが最大の目的であるため、まず「目に触れてもらうこと」「読んでもらうこと」が不可欠であり、その上でアトラクトしたいポイントを組み立てることが、採用広報への取り組みを成功させる近道となります。
採用活動を行う企業の中には、採用広報の必要性を理解しながらも着手できていない企業もあれば、そもそもその重要性を認識していない企業もあります。とくに採用人数が少ない企業では、「エージェントに依頼すれば採用できる」「目標人数が充足している」といった理由から、採用広報の必要性を感じていないケースも少なくありません。
しかし、採用市場の厳しさは今後さらに増していくことが予測されます。労働人口の減少により、今は採用が順調でも、いずれ難易度が高まる可能性は極めて高いと言えます。
採用広報は、すぐに成果が出るものではなく、効果が表れるまでに時間を要します。だからこそ、採用活動がうまくいっている今のうちから少しずつでも取り組みを始めておくことが、将来に向けた備えとして有効です。
とはいえ、実際に取り組もうとすると多くの企業が直面するのが、リソース不足とノウハウ不足という問題です。採用広報は、一定の時間と工数を要するうえに、スカウトサービスのような明確なマニュアルが存在しないため、何から始めればよいのかが分かりにくいという特徴があります。さらに、手法の選定も難しく、選べたとしても「どんな内容を、どんなトーンで発信すべきか」と悩む企業も多く存在します。
また、採用広報の手法は、職種によって適した内容やアプローチが異なることもあります。
例えば、システムエンジニアの場合は技術ブログなど、自社の専門性を伝えやすいコンテンツを作りやすい傾向があります。一方で、営業職やマーケティング職のように業務内容が多岐にわたる職種では、どのような情報を発信すべきかイメージしにくいこともあります。
その結果、「やるべきだとは感じているが、なかなか動き出せない」という企業が大半を占めています。また、着手したものの明確な成果を実感できず、途中で断念してしまうケースも多く見受けられます。
採用広報の取り組みとしてイメージしやすいのは、XやTikTok、Instagram、YouTubeといったSNS、あるいはWantedlyやnoteなどのプラットフォームメディアの活用です。加えて、採用サイトの制作、採用動画の発信、採用ピッチ資料の作成といったコンテンツ制作も代表的な手法として挙げられます。
こうした取り組みについて、「他社がどのように実施しているか」は多くの企業が把握している一方で、まだ採用広報に着手できていない企業の多くは、「それが本当に正しいやり方なのか?」という疑問を抱えています。それでも、自社に合った手法を見つけ、少しずつでも取り組みを進めていくことが、将来的な優位性につながっていきます。
そのためには、各手法の特徴を理解し、自社にとっての「取り組みやすさ」と「伝わりやすさ」を見極めることが重要です。
【X】
・メリット:拡散力が高く、企業のフランクな雰囲気を伝えやすい
・デメリット:継続的な運用体制が必要
【TikTok】
・メリット:若年層への訴求力が高く、社内の雰囲気を動画で直感的に伝えられる
・デメリット:企画・編集に工数がかかり、クオリティーも求められる
【Instagram】
・メリット:ビジュアルを活かしてカルチャーを印象的に発信できる
・デメリット:投稿の質と頻度が求められる
【YouTube】
・メリット:長尺動画により、深い企業理解を促すことができる
・デメリット:制作に時間がかかるため、継続が難しい
【Wantedly】
・メリット:ビジョンや文化を重視する層への共感訴求がしやすい
・デメリット:記事コンテンツがメインであるため、ライティングスキルが求められる
【note】
・メリット:社員の価値観や仕事観、職場の雰囲気まで、カルチャーや考え方を伝えやすい
・デメリット:内容の深さや質が求められる傾向があるため、制作に一定の時間と工数がかかる
【採用サイト】
・メリット:採用情報を一元的に整理・発信でき、ブランディング効果もある
・デメリット:制作・更新の負荷が大きい
【採用動画】
・メリット:直感的に社風を伝えられ、他社との差別化を図りやすい
・デメリット:制作コストが高く、制作・公開までに時間がかかる
【ピッチ資料】
・メリット:端的に自社の魅力を伝えやすい
・デメリット:文字情報が中心なので、感情や雰囲気は伝えづらい
どのような手法を選ぶにしても、効果的な採用広報を実現するには、継続的な取り組みが欠かせません。
たとえば採用サイトを新たに立ち上げた場合、「作って終わり」ではなく、運用を継続し、ターゲットに響く魅力的なコンテンツを発信し続けることが重要です。ローンチ後も積極的にコンテンツを追加し、最新情報を継続的に発信していくことで、候補者にとって信頼できる情報源としての価値を高めていくことができます。
また、面接官のインタビュー記事を採用サイトに掲載している場合には、面接前にその記事を候補者に共有することで、「どんな人が対応してくれるのか」が事前に伝わり、安心感を与えることができます。これは選考体験の向上にもつながり、結果として、採用成功率を高めることにも繋がります。
STARMINEでは、採用広報に関するご支援も行っています。
私たちの支援は、単に採用サイトやコンテンツをつくることや、SNSのアカウントを運用することにとどまりません。まずは、「自社がどんな魅力を武器にアトラクトしていくのか」を整理する棚卸しからスタートし、必要に応じて社員インタビューなどを通じてコンテンツを制作。そして、その後の運用支援まで、一気通貫で伴走します。
採用サイトや動画の制作会社、SNS運用会社に依頼すれば、クオリティの高いアウトプットを得ることはできます。しかし、「採用成果につなげる」という視点が欠けてしまうことも少なくありません。だからこそ、STARMINEでは採用のプロフェッショナルが制作に関わることで、採用成果に直結する設計・運用を行っています。
また、採用媒体やSNSプラットフォームごとの特性を把握したうえで、それぞれをどう掛け合わせれば成果を最大化できるかを考え、人事目線で最適なご提案をいたします。これにより、媒体単体では得られない相乗効果を生み出し、より効果的な採用広報を実現することができます。
STARMINEは「採用のプロフェッショナル集団」を起点に採用広報を支援しています。だからこそ、人事の視点を軸にした、成果につながる発信ができることが強みとなっています。
採用広報のリソースやノウハウに課題を感じている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。採用の本質を捉えた広報活動をサポートさせていただきます。
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