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変化するエンジニア採用市場。大切なのは「未来予測」と「お客様と向き合うこと」

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目次

今回取材を行ったのは中途採用支援事業部の久松。大学卒業後はIT研究職に従事し、その後インフラ責任者、情報システム部長、開発部長、技術顧問、エンジニアリングマネージャー、プロジェクトマネージャーなど、IT業界で多岐にわたる実績と経験を積んできました。現在、STARMINEではシニアコンサルタントとして主にエンジニア採用を担当しています。

今回は、そんな久松に「多くの経験を通して今感じていること」や「現在意識していること・大切にしていること」について話を聞きました。

<Profile>
久松 剛(ひさまつ つよし)
慶應義塾大学卒業後、大学教員を目指す。その後、株式会社ネットマーケティングに入社。マッチングサービス SRE・リクルーター・情報システム部部長・IPO準備などに従事。 その後、レバレジーズ株式会社へ入社し、開発部長・レバテック技術顧問としてエージェント教育・採用セミナー講師などを務める。 2020年より株式会社LIGに参画。採用・組織改善コンサルタントを担当し、合同会社エンジニアリングマネージメントを設立。組織改善コンサルティング・研修・セミナーなどの業務を行う。
2022年、STARMINEへ参画。

多職種経験を活かしたエンジニア採用の戦略

ーーIT業界で多岐に渡って活躍されていますが、今までの経歴を教えてください。

20代の頃は大学教員を目指していて、ITの研究職としてインフラや動画転送に取り組んでいました。博士号を取得後、研究予算がなくなったことで株式会社ネットマーケティング(以下、ネットマーケティング)に転職し、マッチングサービスのインフラ責任者を6年間務めました。入社後すぐにリクルーターとしても活動を始め、2012年からエンジニア採用や組織作りに関わっています。

今振り返っても、ネットマーケティングでの経験は良かったと思っています。当時のマッチングサービスは黎明期で、「出会い系でしょう?」というイメージを持たれていたため候補者だけではなく人材紹介会社からも怪しいと思われており、採用には不利でした。

そのため、出会い系と誤解されないように1次面接の前半で企業や事業の説明を行うことで意向を上げるなど採用に力を入れていたところ、「採用に積極的に関与しているエンジニアがいる」という形で人材紹介会社にも認知され、無事採用を成功させることができました。

次に在籍したレバレジーズ株式会社(以下、レバレジーズ)では、開発部長として社内を整えながらVPoE的な役割を果たし、ピープルマネージメントを中心に活動しました。また、同時にレバテックの技術顧問として、レバティックキャリアの人々の教育も行っていました。

ーー採用に全力で取り組んでいるエンジニアってあまりいない印象ですよね。採用から離れ、レバテックで教育に注力されたのは何かキッカケがあったんですか?

レバテックに限らず人材紹介会社各社でエンジニアへの理解度を高めようとする場合、「各々で頑張ってキャッチアップして」ということが多く、各人の知識にバラツキがあることが分かりました。だからこそ適切なマッチングを実現するために、キャリアアドバイザー教育に取り組みたいと行動したいと思ったのがキッカケです。その取り組みが評価され、今でもレバレジーズとの関係は続いているので、やってよかったなと改めて感じています。

ーー常に新しい仕組みや動きを生み出しているんですね。

そうかもしれないですね。

レバレジーズを退職してからは、株式会社LIG(以下、LIG)でオフショア開発を行い、フィリピン120名とベトナム15名のマネジメントを担当していました。

エンジニアリングマネージャーとプロジェクトマネージャーを兼務し、アカウントマネージャーの役割も求められたため新規営業と既存顧客の深耕営業を行っていました。ピープルマネージメントに特化して動いてみたいと思い、独立しました。

STARMINEには、LIGの元人事と多田さんが友人だった繋がりで参画しました。

変化する市場における採用施策と採用活動の新たな視点

ーーエンジニア採用を行う上で、どのようなことを意識し、大切にされていますか?

予算には限界があり、その投資に対して必ずしも結果が得られる保証はありません。そのため、「コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスの良い戦略は何か」を常に意識しながら取り組んでいます。

また、エンジニアの採用トレンドは、四半期ごとに大きく変化するため、この市場動向もきちんと抑えておく必要があります。

この変化の一因は人材関連企業の広告予算にあり、これが人材の集まり方に影響を与えていると私は考えていますが、例えば、スカウト媒体では、新たな人材を獲得するために広告を出さなければデータベースが更新されず、ユーザーからは「枯渇した」といった声が上がり、解約に繋がります。しかし、状況が変わり再び広告予算を投入すれば、集客が可能になり、媒体の効果も向上します。

また、積極的に採用を行っている企業の予算も四半期ごとに変動することが多いため、これも要因の1つだと言えますが、トレンドが常に変化しているからこそ、「以前成功したから今回も大丈夫」といった考えで施策を進めるのは難しいと考えています。

ーー市場の動向とコスパ・タイパを意識した施策、とても重要ですよね。

もし採用要件が高い場合は、外資系企業やその業界の高給与企業と競争することになります。その際に重要なのが、お客様と向き合い人物要件を明確に言語化する作業です。

採用チャネルを整え、スカウトや人材紹介を活用しながら、「こういう人物が欲しかった」というニーズを見つけ出すことが大切。今はお客様に無限に資金を投入させて実施するような物流型の採用は適切ではないと考えているので、私はOne to Oneのアプローチで進めていくことを意識しています。

未来を見据えた人材採用戦略の重要性

ーー今までの経験が活きてるな、と感じることがあれば教えてください。

私の経歴は研究員から始まったため、特に事業仕分け以降は予算的に厳しい状況でした。小物を購入する際にも、「この小物は⚪︎⚪︎の用途で利用し、その成果は▲▲の観点で国民の生活に繋がります」といった説明をしなければなりませんでした。

そのような学術環境から、上場前のスタートアップ企業に転職しましたが、こちらも資金に余裕があるわけではありませんでした。

こうした背景から予算の確保が難しい組織で成果を上げる方法については、私自身の経験を活かすことで寄り添えると思っています。

また、予算に制限のある組織での経験が長いからこそ、はじめから高い予算を投じるお客様に対してはあえて「大丈夫ですか?」と尋ねることから始めるようにしています。

ーー採用市場の分析を行う際に特に注目している指標やトレンドはありますか?

最近は、「未来予測」を意識するように心掛けています。組織にとって「5年後や10年後もそのサービスを継続するのか」という問いから始め、「その場合、今のうちにどのような人材を採用すべきか」という視点で施策を進めることができれば、現在の課題を解決するだけでなく、将来を見据えた解決策を講じることが可能になります。

現在10数社に出入りしている関係から採用市場を横断的に分析することができています。「将来的にこの層は減少するだろう」「この層は残ると考えられる」といった見通しが立つため、その情報を基に他の採用チャネルへの挑戦やグローバル人材の採用を検討するなど、さまざまなディスカッションを通じて市場選定や戦略の構築を行うことを大切にしていますね。

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