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【JASDAQ上場前から上場後の組織づくり】1on1浸透をマネジメントの軸にしていった中長期プロジェクト

多田圭次郎

多田圭次郎CCO/採用・組織コンサルタント

2022年1月31日

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今回は2021年4月に東証JASDAQに上場された、株式会社ネオマーケティングの代表取締役である橋本 光伸様にお話を伺いました。

株式会社ネオマーケティングは、「人と企業の架け橋となる価値ある情報サービスを提供し、人々の生活向上と社会発展に貢献する」という経営理念のもと、生活者起点のマーケティング支援事業を行っており、市場調査はもちろん、クライアントの商品開発のフェーズから携わり、リリース後のプロモーションまでワンストップで行っているマーケティング企業です。

2020年初旬、テレワークの影響で浮き彫りになった社内コミュニケーションにまつわる課題を、STARMINEとどのように解決していったか、そしてこの先見据えているビジョンを紹介していきます。

株式会社ネオマーケティング
代表取締役 橋本 光伸様
早稲田大学卒業後、1999年広告代理店に入社。主にメーカーや金融機関のプロモーション・PRに携わる。2000年株式会社ネオマーケティングを設立。代表取締役に就任。

テレワーク推進の裏側で見えてきた課題

−− STARMINEと取り引きをスタートしたのが2020年5月からでしたが、その頃に御社ではどんな課題を抱えていたのですか?

テレワークの働き方が広がっていくにあたって、営業活動の効率化は進んでいた一方で、社内コミュニケーションが希薄になってきており、このままだと社員のロイヤリティが下がっていく未来予想を立てていました。

メンバー同士が直接顔を合わせる機会が減ったことで、お互いが毎日どんな仕事をしているのか分からず、元気でやっているのかすらも分からない状況があるのではないかと思いました。

そこで、何人かのマネージャーに直接ヒアリングをしてみたところ、「納品物はあるけどメンバーそれぞれがどんな状態なのかは分からない」という返答が多くあり、社内で広く起きている問題だと認識しました。

そして、この状態が続いていくと、組織が崩壊していく危機感を強く持ちました。

−− マネージャーの方々へのヒアリングから、コミュニケーションに関する課題を発見されたのですね。それに対して、具体的にはどのような対策を取りましたか?

まずは、毎週月曜日にオンラインでの全体朝礼を行いました。

経営からの情報提供という点では全体朝礼は適していましたが、個人対全体でのコミュニケーション施策であるため、上司と部下との関係に関わる施策「1on1」についても意識をするようになりました。

−− そこで弊社にお問い合わせをいただいた流れですね。最初はどのように取り組みをスタートしていきましたか?

まずは、マネージャー向けにオンラインでの集合研修を行っていただきました。1on1とはどういうものかのインプット、1on1のロールプレイングを行って相互にフィードバックをし合うワークショップなどの内容でした。

私自身も研修に参加し、マネージャーたちが1on1をやっている様子を実際に見てみて、1on1の質を向上していくことが課題解決に繋がっていく確信を持ち、会社として1on1に注力をしていくことを決めました。

社員を巻き込んだプロジェクト「1on1アンバサダー」

−− 研修を受講していただいた後から約1年間にわたってプロジェクトを行ってきましたが、その中でも印象に残っている取り組みはありますか?

「1on1アンバサダー」ですね。

−− ありがとうございます。「1on1アンバサダー」を説明させていただくと、1on1を全社に浸透させることを目的に、ネオマーケティング社内から有志のプロジェクトメンバーを募って、STARMINEのコンサルタントがファシリテーションを行い、1on1浸透施策のPDCAを回していくプロジェクトですね。
その施策を通じて、実際に何か変化や成果は感じられましたか?

「別のチームの上司と部下での1on1」「女性同士での1on1」「違う部署の人たち同士での1on1」や、部署同士でフィードバックをし合う会など、新しい形のコミュニケーション手法が現場発信で生まれています。

メンバー主体での行動が徐々に増えてきていることを実感しており、会社全体で同様の変化が起きていることが想像できますね。

−− 1on1アンバサダーの方々とは1週間ごとにアクションの策定と振り返りのサイクルを回しているのですが、変化の波が広がっているとのことでとても良かったです。

また、1on1アンバサダーの発案で、1on1をより浸透しやすくするために「1on1」という名称を変更することになりました。全社員に公募し、現在は「ふらっとーーく」という名称に変わり、1on1という名称の頃よりもカジュアルな雰囲気の対話の場になっていると思います。

「1on1ハンドブック」によるコミュニケーションに対する意識の変化

−− その他はどのような施策を行いましたか?

「1on1ハンドブック」というものを作成し、全社員に配布しました。
ハンドブックの内容は、1on1の目的や具体的な手法をまとめたもので、実際の1on1の場で上司と部下が手元に置きながら1on1を進めてもらうことを想定したものです。

−− ハンドブックはどのように作成をしたのですか?

まずは、役員陣で会社の「組織」や「育成」に関するあるべき姿を改めて議論し直すところから始めました。

そして、ネオマーケティングでは、1on1を「会社と社員のそれぞれが目指す“未来”を対話を通じて実現していくエンジン」と定義しました。1on1を通じて、社員ひとりひとりが目指している“未来”が、ネオマーケティングの中でどうすれば実現できるのかを一緒に考える組織にしていきたい、という思いをハンドブックに落とし込みました。

ハンドブックを形にする際には、STARMINEのコンサルタントに加えて、現場のことをよく理解してくれている弊社人事と協働しながら作成していきました。

−− ハンドブックを配布した後、社員の方々の変化はありましたか?

ハンドブックを実際に使ってみての疑問点やフィードバックを全社からアンケートで募ったり、STARMINEのコンサルタントが1on1の現場に同席をしながら、何度かバージョンアップを繰り返し浸透させていったのですが、現在では1on1をやることがあたりまえになっており、会社全体として「コミュニケーション」に対する意識が変わりました。

マネージャーからメンバーに関する話を聞く機会が増えましたし、テレワークの影響でメンバーの様子が見えづらかった1年前と比べると全然違いますね。

課題に合わせて解決策を提案するオーダーメイドコンサルティング

−− STARMINEとの取り組みを振り返り、橋本様が感じた弊社の特徴を教えていただけませんか?

パッケージを提案するスタイルではなく、それまでやってきた施策や、現場社員と触れ合うことで見えてきた課題を整理し、その都度解決策を提案してくれるスタイルが信頼できました。

例えば、1on1の質を向上させるトレーニングを行う施策を検討していた際に、「今は全社員に対してではなく、このレイヤーの役職者へピンポイントにアプローチをした方が効果が高い」など、常に目的・効果を考えて提案してくれた点が良かったです。

また、先にお話した「1on1ハンドブック」の作成についても、最初の提案には含まれていませんでしたが、現場のマネージャー/メンバーへのヒアリングを通じて、弊社が行ってきた施策浸透のコミュニケーションにおける課題を特定した上で、「1on1ハンドブック」の提案がありました。

目の前に起きている現象だけ見ても課題を特定するのは難しいじゃないですか。常に仮説を立て、現場へのヒアリングと、経営陣とのディスカッションを通じて、実行に持っていけるところがSTARMINEの良いところだと思います。

社員とクライアントが実現したい未来を創るネオマーケティング

−− 橋本様が考える理想の組織について教えてください。

社員が「いい環境」だと思える会社を作っていきたいです。

人が会社を「いい環境」だと思うには、「働きやすい」「働きがいがある」「成長できる」「挑戦できる機会がある」など、いくつかの要素があると思いますが、なるべく多くの要素を持ち合わせた会社でないと、働く場として選ばれなくなっていきますし、これを作り続ける努力をしていかない限り、どんな会社も衰退していくと考えています。

時代によって働くことに対する価値観や、理想の働き方は変わっていくので、特に若い世代の方々の考えを受け入れられる土壌のある会社にしていきたいです。

−− そのような会社が実現できたら、上司と部下のコミュニケーションはどのように変わっていくと思いますか?

「未来志向」な会話をしていると思います。「こういうのできないかな?」とか「どうすればできるかな」のような会話が飛び交っている会社は強いです。よくある「飲み屋で会社の愚痴を言い合う」みたいなカルチャーとは対極にある、私が目指しているのはそんな会社です。

言われたことだけをやっている環境だと社員も面白いと思わないでしょうし、話も聞かずに「それはダメだ」と言うような会社ではないので、ボトムアップでどんどん発信していって欲しいと思ってます。

その上で、働くことに対する価値観は人それぞれなので、その違いを認めていきたいです。価値観を押し付けていくよりも、それぞれの個性を認めた上で、それらを伸ばしていく方が私は好きです。これからは多様性を認め合っていく時代だからこそ、個性がある人が働きやすい基盤を持った会社にしていきたいです。

−− 最後に、ネオマーケティング様が会社として目指していることを教えてください。

マーケティング企業No.1です。「マーケティングで困ったらネオマーケティング」と第一想起される、「ネオマーケティングにお願いすれば安心だな」と誰からも信頼される会社を目指しています。企業として、マーケティングの課題解決を依頼されたら、必ず「成功する」と思ってもらわないと意味がないですからね。

これからも、働いているすべての社員が実現したい未来も、クライアント様が実現したい未来も、共に創っていけるような会社を目指していきます。

この記事を書いたメンバー

多田圭次郎

TADA KEIJIRO

多田圭次郎

CCO/採用・組織コンサルタント

早稲田大学商学部卒業後、ヤフー株式会社に入社。 約4年間、新卒採用・中途採用、人材育成・組織開発など人事領域全般に従事。 その後、スタートアップ企業にて採用・広報業務を行なった後、外資系ヘッドハンティングファームにて日英バイリンガル「人事」専門のヘッドハンターを経験。 2019年にSTARMINEへ参画しCCOに就任。主にITベンチャー企業向けに「採用」「コーチング」「ファシリテーション」領域で支援実績が豊富。

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